「空き家が2000万戸になる」と聞くと、不安に感じる方も多いはずです。
ただし、現在すでに2000万戸あるわけではありません。
この記事では、空き家2000万問題の本当の意味と、空家特措法改正で売却前に注意すべきポイントを整理します。
読み終えるころには、空き家を「持ち続けるべきか」「売却を検討すべきか」を判断するための基本が見えてくるはずです。
空き家の問題は、制度だけでなく「売る・持つ・直す」の判断も大切です。
まずは今の家をどうするべきか、全体像を整理しておくと安心です。
▶▶▶ 家を売るべきか迷ったときの判断基準を確認する
| 監修者:西村 美彦(宅地建物取引士) |
| 不動産業界で30年以上、空き家や古家、訳あり物件の売却に悩む方の相談に数多く対応。 「この家は売るべきか、それとも持つべきか」 現場で実際に行ってきた判断基準をもとに、本記事を監修しています。 監修者の実績や考え方を見る |
空き家の2000万戸問題とは?
「空き家の2000万戸問題」と聞くと、少しドキッとしますよね。
でも、まず知っておきたいのは、現在の日本に空き家が2000万戸あるわけではない、ということです。
この問題は、今すでに2000万戸あるという話ではありません。
人口減少や住宅需要の変化によって、将来的に空き家がさらに増える可能性を示すものです。
現在の空き家数は2000万戸ではなく900万戸
まず大切なのは、現在すでに空き家が2000万戸あるわけではない、という点です。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」では、2023年時点の全国の空き家数は900万戸と言われています。
そしてその空き家率は13.8%とされています。
つまり、「空き家2000万戸」という言葉だけを見ると、今すぐそこまで増えているように感じます。
ただ、現時点の公式統計とは違います。
2000万戸問題は将来の空き家増加を示す注意喚起
「空き家2000万戸問題」は、将来的に空き家が大きく増える可能性を示す言葉として使われることがあります。
少し専門的なお話になるのですが、2023年の空き家率13.8%を踏まえたうえのお話になります。
野村総合研究所の2024年公表資料では、2043年には空き家率が約25%まで上昇する見込みとされています。
ただし、これはあくまで将来推計であり、空き家の除却や活用、住宅政策、人口や世帯数の変化によって結果は変わる可能性があります。
だからこそ、「2000万戸になる」と断定するよりも、「将来的に空き家がさらに増える可能性がある」と表現した方が、読者にも正確に伝わります。
2000万円損するという意味ではない
「2000万」と聞くと、2000万円の損失をイメージしてしまう方もいるかもしれません。
でも、このタイトルでいう「2000万戸」は、金額ではなく空き家の戸数に関する話です。
つまり、「空き家を持つと必ず2000万円損する」という意味ではありません。
ただし、空き家を長く放置すると、固定資産税、火災保険料、草刈り、修繕費、解体費などがかかり、結果として所有者のお金の負担につながることはあります。
また、建物の劣化が進むと、売却時に修繕費や解体費を見込まれて、価格交渉を受けやすくなる場合もあります。
なぜ空き家は増え続けるのか

空き家が増える理由は、ひとつだけではありません。
人口減少や高齢化、相続後の実家の扱い、古い建物の活用しにくさなど、いくつかの要因が重なっています。
ここでは、特に実家や一戸建ての空き家で起こりやすい理由を、わかりやすく整理していきますね。
人口減少と世帯構成の変化
空き家が増える背景には、人口減少や高齢化があります。
住む人が減っていく一方で、すでに建っている住宅が残り続けると、使われない家が増えやすくなります。
また、世帯の形が変わっていることも関係しています。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、今後も単独世帯の割合が高まると見込まれています。
家族で住む大きな家よりも、ひとり暮らしや夫婦のみの世帯に合う住まいが選ばれやすくなっています。
その結果、古い一戸建てが余りやすくなることもあります。
住む人の数や暮らし方が変わることが、空き家増加の大きな背景なんです。
相続後に実家の使い道が決まらない
空き家が増える大きなきっかけのひとつが、親が住んでいた実家の相続です。
国土交通省の空き家対策特設サイトでも、空き家の発生原因は半分以上が相続によるものとされています。
親が施設に入ったり、亡くなったりしたあと、子どもがすでに別の地域に住んでいると、実家に戻って住むのが難しいこともありますよね。
そのまま「いつか考えよう」と先延ばしにしてしまうと、判断ができないまま時間だけが過ぎてしまいます。
その結果、売る・貸す・使う・解体する方向性が決まらず、空き家の期間が長くなってしまいます。
特に兄弟姉妹など相続人が複数いる場合は、誰が管理するのか、費用をどう負担するのか、売却してよいのかなど、話し合うことも増えます。
使い道が決まらない時間が長くなるほど、管理の負担も増えやすいです。
古い一戸建てほど活用が難しくなりやすい
築年数が古い一戸建ては、耐震性や修繕費、立地条件によって、売却や賃貸が難しくなることがあります。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害、水回りの劣化、外壁の傷みなどがあると、買主や借主は修繕費を見込んで判断することになります。
また、駅や商業施設から遠い、車がないと生活しにくいなど、立地によって活用しやすさは変わります。
さらに、再建築が難しい土地である場合など、法的条件によっても活用のしやすさは変わります。
国土交通省も、老朽化している住まいは、そのまま売る・貸すのが難しいことが多いと説明しています。
そのため、解体して土地を売る・貸す方法も検討するとされています。
だからこそ、早い段階で建物の状態を確認し、売却・賃貸・解体・管理のどれが現実的かを整理することが大切です。
空家特措法改正で何が変わった?

空き家を持っている方にとって、空家特措法の改正はとても大切なポイントです。
これまでは、倒壊のおそれがあるような「特定空家等」が主に注目されていました。
でも改正後は、その一歩手前の段階でも行政が対応しやすくなりました。
少し専門的なお話になりますが、ここでは「いつ改正されたのか」「何が新しくなったのか」「固定資産税にどう関係するのか」を整理していきますね。
改正法は2023年12月13日に施行
空家等対策特別措置法の改正法は、2023年12月13日に施行されました。
そのため、「2024年改正」と書かれることもありますが、正確には2023年12月に施行された改正です。
2024年以降に空き家対策として話題になることが多いため、少し混同されやすい部分かもしれません。
今回の改正では、空き家を「活用する」「管理する」「状態が悪い空き家へ対応する」という考え方がより強くなっています。
空き家を放置しないための仕組みが強化された、と考えるとわかりやすいです。
管理不全空家等が新しく追加された
今回の改正で大きいのは、「管理不全空家等」という区分が新しく設けられたことです。
管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがある空き家のことです。
たとえば、屋根や外壁が傷んでいる、窓や扉が壊れている、庭木や雑草が伸びて近隣に影響している、といった状態は注意が必要です。
改正後は、このような空き家について、市区町村が所有者に対して指導や勧告を行えるようになりました。
つまり、かなり危険な状態になってからではなく、問題が大きくなる前の段階で対応を求められる可能性があるんです。
これは少し不安に感じるかもしれませんが、見方を変えると、早めに管理や修繕を考えるきっかけにもなります。
勧告を受けると固定資産税の負担が増える可能性
管理不全空家等や特定空家等として市区町村から勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れる可能性があります。
住宅用地特例とは、住宅が建っている土地について、固定資産税の課税標準を軽減する制度です。
小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されています。
そのため、この特例が外れると、土地部分の固定資産税負担が増えることがあります。
ただし、ここで注意したいのは、空き家になっただけで、すぐ固定資産税が6倍になるわけではないという点です。
市区町村から指導を受け、それでも改善されずに勧告まで進んだ場合に、住宅用地特例の対象から外れる可能性が出てきます。
また、実際の税額は土地の面積、評価額、都市計画税の有無、自治体の取り扱いなどによって変わります。
空家特措法改正は売却にどう関係する?

空家特措法の改正は、「空き家を必ず売らなければいけない」という制度ではありません。
ただし、管理が不十分な空き家については、市区町村から早い段階で指導や勧告を受ける可能性があります。
そのため、売却を考えている方にとっては、家の状態や今後の管理方針を見直すきっかけになるんです。
ここでは、空家特措法改正が売却にどう関係するのかを、やさしく整理していきますね。
管理状態が悪いと売却価格に影響しやすい
空き家の管理状態が悪くなると、売却価格に影響する可能性があります。
たとえば、雨漏り、外壁の傷み、シロアリ被害、庭木の繁茂、残置物の多さなどがあると、買主は修繕費や解体費を見込んで購入を検討します。
その結果、価格交渉を受けたり、売却まで時間がかかったりすることがあります。
また、管理不全空家等や特定空家等として行政から指導・勧告を受けている場合は、買主にとっても不安材料になりやすいです。
少し専門的なお話になるのですが、改正後は「管理不全空家等」という区分ができたため、かなり危険な状態になる前でも対応を求められる可能性があります。
売却前に建物の状態を把握しておくことが、価格面でもトラブル防止の面でも大切です。
特定空家等になる前に選択肢を整理しやすい
空家特措法改正により、行政からの指導や勧告が、以前より早い段階で行われる可能性があります。
これは少し不安に感じるかもしれませんが、見方を変えると、特定空家等になる前に対応を考えるチャンスでもあります。
空き家の状態が悪化してからでは、修繕費や解体費が増えたり、買主が見つかりにくくなったりすることがあります。
そのため、早い段階で「売る」「貸す」「管理を続ける」「解体する」のどれが現実的かを整理しておくことが大切です。
国土交通省も、空き家やその敷地を売る・貸す際に、空き家バンクなどの制度を活用できる場合があると案内しています。
空き家バンクや自治体の相談窓口を活用するのも、選択肢を広げる方法です。
売却は対策のひとつであり、唯一の正解ではない
空き家対策として、売却は有効な選択肢のひとつです。
特に、遠方に住んでいて管理が難しい場合や、今後家族が住む予定がない場合は、売却によって維持費や管理の負担を減らせることがあります。
ただし、すべての空き家にとって売却が正解とは限りません。
立地や建物の状態によっては、賃貸、リフォーム、空き家バンクへの登録、解体後の土地売却なども選択肢になります。
国土交通省も、空き家・空き地バンクを通じた流通や利活用を支援しており、地域によっては自治体の補助制度を使える場合もあります。
家の状態・立地・家族の希望に合わせて選ぶことが大切です。
「売るべきか、持ち続けるべきか」で迷う場合は、先に判断基準を整理しておくと、次の行動を決めやすくなります。
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空き家を売却する前に確認すべきポイント

空き家を売却するときは、「いくらで売れるか」だけでなく、登記・建物の状態・維持費・税金の確認も大切です。
特に相続した実家の場合は、名義や税制の条件を確認しないまま進めると、売却直前で手続きが止まってしまうこともあります。
ここでは、売却前に見ておきたいポイントを4つに分けて整理しますね。
相続登記が済んでいるか
相続した空き家を売却するには、まず登記名義が整理されているかを確認しましょう。
親名義のままになっている不動産は、そのままでは原則として売却手続きを進めにくくなります。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化され、不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があります。
また、義務化前に相続した不動産も対象になるため、昔の相続だから関係ないとは言い切れません。
少し専門的なお話になりますが、正当な理由なく申請しない場合、過料の対象になる可能性もあります。
売却前の名義確認は、早めにしておくと安心です。
相続登記が未了のままだと、売却の準備がスムーズに進まないことがあります。
建物の状態と修繕・解体の必要性
空き家を売却する前には、建物の状態を確認しておきましょう。
雨漏り、シロアリ被害、外壁の傷み、床の沈み、窓や扉の破損、残置物の有無などは、売却価格や買主の判断に影響しやすいです。
状態が良ければ古家付き住宅として売れる可能性がありますが、傷みが大きい場合は、修繕前提や解体前提で見られることもあります。
そのため、「そのまま売る」「片付けて売る」「最低限修繕して売る」「解体して土地として売る」のどれがよいかを比較しておくと判断しやすいです。
国土交通省でも、空き家を売る・貸す場合は、不動産業者への相談だけでなく、空き家バンクの活用も選択肢として案内しています。
売却方法を複数比較することが、損を防ぐポイントです。
不具合を隠して売ると、あとからトラブルになる可能性があります。
固定資産税や管理費の負担
空き家を持ち続ける間は、固定資産税や管理費がかかります。
具体的には、固定資産税、都市計画税、火災保険料、草刈り、庭木の剪定、清掃、換気、通水、修繕費、遠方から確認に行く交通費などです。
売却するか迷っている場合も、まずは年間でどれくらい維持費がかかっているかを計算してみましょう。
管理が不十分な状態が続き、市区町村から管理不全空家等や特定空家等として勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れる可能性もあります。
その場合、土地部分の固定資産税負担が増えることがあります。
年間の維持費を見える化することで、売却・賃貸・管理継続の判断がしやすくなります。
「使っていない家」でも、持っているだけで費用はかかります。
相続空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却する場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度があります。
これは、国税庁が案内している「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。
ただし、すべての相続空き家で使えるわけではありません。
対象となる家屋は、原則として昭和56年5月31日以前に建築されたこと、区分所有建物でないこと、相続開始直前に被相続人以外が住んでいなかったことなどの要件があります。
また、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上いる場合は、控除額が1人あたり最高2,000万円までになります。
売却時期や建物の状態、耐震基準、解体の有無などによっても扱いが変わるため、売却前に確認しておくことが大切です。
特例は「相続した空き家なら必ず使える」制度ではありません。
税金の判断は個別事情によって変わるので、不動産会社だけでなく、税理士や税務署にも相談してみてくださいね。
空き家を売却する流れ

空き家を売却するときは、いきなり不動産会社へ依頼するよりも、順番に確認していく方が安心です。
特に相続した実家の場合は、建物の状態だけでなく、登記名義や税金、残置物の扱いなども関係します。
ここでは、空き家を売却するときの基本的な流れを5つに分けて整理しますね。
1. 現地の状態を確認する
まずは、現地の状態を確認することから始めましょう。
建物の劣化、雨漏り、外壁の傷み、庭木や雑草、残置物、近隣への影響などを見ておくと、売却時の判断がしやすくなります。
空き家は、人が住まなくなると換気や通水がされにくくなり、思った以上に傷みが進んでいることもあります。
また、庭木が隣地にはみ出していたり、屋根材や外壁が落ちそうになっていたりすると、近隣トラブルにつながる可能性もあります。
遠方で自分では見に行けない場合は、管理会社や不動産会社、自治体の相談窓口に確認してみる方法もあります。
売却前に状態を把握しておくことは、価格交渉やトラブル防止にもつながります。
「空き家だからそのままで大丈夫」と思い込まず、まず現状確認をすることが大切です。
2. 必要書類と登記を確認する
次に、必要書類と登記名義を確認しましょう。
売却相談のときは、登記事項証明書、固定資産税納税通知書、建築確認済証、検査済証、測量図、境界確認書などがあると話が進めやすくなります。
すべてが手元にそろっていなくても相談はできますが、土地や建物の情報がわかる資料があるほど、査定や売却方法の検討がしやすくなります。
相続した空き家の場合は、名義が亡くなった親のままになっていないかも確認しましょう。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されており、不動産を相続したことを知った日から3年以内の申請が必要です。
相続登記が済んでいるかは、売却前の大事な確認ポイントです。
名義が整理されていないと、売却手続きが途中で止まることがあります。
3. 複数の不動産会社に査定を依頼する
書類や現地の状態を確認したら、複数の不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。
空き家は、建物をそのまま評価するのか、古家付き土地として見るのか、解体前提で見るのかによって査定額が変わることがあります。
そのため、査定額だけでなく、売却方法の提案内容や説明のわかりやすさも比較しましょう。
たとえば、「そのまま売る」「解体して土地として売る」「買取を利用する」「空き家バンクも活用する」など、物件によって合う方法は違います。
国土交通省も、空き家を売る・貸す際には、不動産業者への相談だけでなく、空き家バンクの活用も案内しています。
空き家の売却実績がある会社を選ぶと、具体的な提案を受けやすいです。
査定額の高さだけで決めず、根拠を説明してくれる会社を選ぶことが大切ですよ。
4. 売却方法を決める
査定結果や提案を比較したら、物件に合った売却方法を決めます。
空き家の売却方法には、古家付き土地として売る、建物を解体して土地として売る、不動産会社に買取してもらう、空き家バンクを活用するなどがあります。
建物の状態が比較的良い場合は、そのまま住宅として売れる可能性があります。
一方で、築年数が古い、雨漏りやシロアリ被害がある、再利用が難しい場合は、土地として見られることもあります。
また、建物の状態が気になる場合は、インスペクションを活用する方法もあります。
国土交通省では、インスペクションについて、専門家による建物現況調査として、引渡し後のトラブル回避や購入者の安心につながると案内しています。
そのまま売るか、解体して売るかを比較することが大切です。
解体は費用がかかるため、先に不動産会社へ相談してから判断しましょう。
5. 契約内容と税金を確認する
売却条件がまとまったら、契約内容と税金をしっかり確認しましょう。
売買契約では、売買価格、引き渡し日、残置物の扱い、境界、設備の有無、契約不適合責任、契約解除の条件などを確認します。
少し専門的なお話になるのですが、現在の売買契約では、昔の「瑕疵担保責任」ではなく「契約不適合責任」という考え方が使われます。
雨漏りやシロアリ被害など、わかっている不具合がある場合は、契約前にきちんと共有しておくことが大切です。
また、空き家を売却して利益が出た場合は、譲渡所得税がかかる可能性があります。
相続した空き家では、一定の要件を満たすと、譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる特例を使える場合があります。
税金の特例は売却前に確認しておくことが安心です。
契約後に「知らなかった」とならないよう、疑問点は契約前に確認しましょう。
空き家2000万戸問題でよくあるFAQ
「空き家2000万戸問題」と聞くと、数字のインパクトが強くて少し不安になりますよね。
でも、実際には「今すぐ空き家が2000万戸ある」「必ず2000万円損する」という意味ではありません。
ここでは、読者が誤解しやすいポイントをQ&A形式で整理していきます。
Q. いま空き家は2000万戸あるのですか?
いいえ、総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、2023年時点の空き家数は900万戸、空き家率は13.8%です。
「2000万戸」という表現は、現在の数字ではなく、将来的に空き家がさらに増える可能性を示す文脈で使われることがあります。
Q. 空き家を持つと2000万円損しますか?
必ず2000万円損するわけではありません。
ただし、空き家を放置すると、固定資産税、保険料、草刈り、清掃、修繕費、解体費などの負担が増えることがあります。
建物の劣化が進むと、売却価格が下がったり、修繕費や解体費を見込んだ価格交渉を受けたりする可能性もあります。
2000万戸は戸数の話であり、2000万円の損失を意味するものではありません。
金額の話と戸数の話を混同しないことが大切です。
Q. 空家特措法改正で固定資産税は必ず6倍になりますか?
いいえ。空き家になっただけで、固定資産税が必ず6倍になるわけではありません。
管理不全空家等や特定空家等として市区町村から勧告を受け、住宅用地特例の対象から外れた場合に、土地部分の固定資産税負担が増える可能性があります。
小規模住宅用地では、固定資産税の課税標準が6分の1に軽減されているため、この特例が外れると土地部分の負担が最大で約6倍になる可能性があります。
「空き家=即6倍」ではなく、「勧告後に特例が外れる可能性がある」と理解しましょう。
Q. 空き家はすぐ売却した方がいいですか?
すぐに売却すべきとは限りません。
空き家対策として売却は有効な選択肢ですが、立地や建物の状態、家族の希望によっては、賃貸、管理継続、リフォーム、解体、空き家バンクの活用なども考えられます。
大切なのは、放置せずに早めに選択肢を整理することです。
売却・賃貸・管理・解体を比較すると、家族で話し合いやすくなります。
「法改正されたから必ず売却」ではなく、まず現状確認から始めましょう。
まとめ:空き家2000万戸問題は「早めに考える」ためのサイン
空き家2000万戸問題は、現在すでに空き家が2000万戸あるという意味ではありません。
人口減少や住宅需要の変化により、将来的に空き家がさらに増える可能性を示す注意喚起として考えるとわかりやすいです。
また、「2000万」と聞くとお金の話に感じるかもしれませんが、この場合は金額ではなく戸数の話です。
ただし、実家や空き家を持つ人にとっては、売却しにくさ、維持費、修繕費、固定資産税の負担など、身近なお金の問題にもつながります。
空家特措法改正によって、管理が不十分な空き家には、以前より早い段階で行政から指導や勧告が行われる可能性もあります。
勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れ、土地部分の固定資産税負担が増えることもあります。
だからこそ大切なのは、「今すぐ売る」と焦ることではなく、早めに選択肢を整理することです。
売却、賃貸、管理、リフォーム、解体、空き家バンクの活用など、空き家の状態や家族の希望によって選べる方法は変わります。
家の状態・維持費・売却可能性を確認することから始めると、判断しやすくなりますよ。
一番避けたいのは、「まだ大丈夫」と思ったまま放置してしまうことです。
思い出のある実家ほど、すぐに結論を出すのはむずかしいですよね。
でも、早めに情報を集めておけば、売る場合も、貸す場合も、管理を続ける場合も、家族で落ち着いて話し合いやすくなります。
空き家2000万戸問題は、不安をあおる言葉ではなく、将来の負担を減らすために「そろそろ考えてみよう」と教えてくれるサインだと思いますよ^^
